漢方では五臓六腑の働きがよく、「気」「血」「津液」がみなぎりその余った分が始めて子供に行くと考えています。
すなわち母体そのものが新しい生命を育む力を持っていないと上手く受精し着床しないあるいはすぐに流産してしまうということが起こってしまいます。
丁度、良い作物は肥沃な大地から育つのと同じですね。
問診、基礎体温表等からお母様の状態を漢方的に把握しその症状や体質に合った漢方薬等を服用して頂きますがその全てが、お母さんの体を元気にし、母体そのものが安定し妊娠出産まで新しい生命を育んでいける体を作って頂くことに重点を置いています。
症例
私たち夫婦の実際に取組んだ体験
ここでは、私たち夫婦が実際に取り組んだ体験をご紹介しようと思います。
今から7年前に薬局を開局し、夫婦二人薬剤師として最初は薬局の仕事で手一杯で子供なんてまったく考えていませんでした。
薬局も軌道に乗り、そろそろ子供をと、二人で話し出したのがそれから3年後くらいでした。
私自身子供はいつでも出来ると思っていましたのでのんきに考えていました。しかし、1年半くらい出来ないとさすがに不安になってきますよね。
2人で相談し、先ずは検査を受けました。
結果は共に異常なし、タイミング法で様子を見ましょうというお話でした。
それから半年間は排卵促進剤でタイミングを合わせる治療を行なっていました。
しかし、なかなか上手くいきませんでした。経験された方は解ると思いますが、この頃の妻は、生理のたびに落ち込んだり、周りからのチョッとした言葉にも凄く敏感になっていました。
これが私自身本格的に、不妊症の漢方療法を勉強するきっかけになっていきました。また、私自身が薬局の仕事が忙しく真剣に考えていなかったことも大いに反省しました。
妻の場合は基礎体温表からは、36.75以上の高温期が10日以上維持できていなく高温期の波形も凸凹でした。
漢方的にはこの状態は、気虚(ききょ)と気滞(きたい)と言う状態です。
これは簡単に言うと、ストレスと体のエネルギー不足の状態です。
また、今まで妻の生理の状態なんか聞いたこともなかったのですが、漢方的にきちんと考えていくと、生理期間は通常ですが生理の出血量は元々少なく、色も薄い、これも漢方的には気と血の不足をあらわしています。
処方後・・・・
妻には状態にあった漢方薬と栄養素の服用を続けて貰いました。
それから5ヶ月くらい経った頃から36.75以上の高温期が10日間きちんと維持できるようになり、それと同時に生理の出血量が増え、初めて排卵前にはオリモノが出るようになっていました。
このような状態が整い妊娠まではそれから2ヶ月ほどかかりましたが、無事に出産を迎えることが出来ました。
今本当に子供がいてくれる幸せを実感すると共に、体の中の環境を良くしてあげることが何より大切だと思っています。